子どもの矯正歯科治療
(咬合誘導治療)について
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はじめに

矯正歯科治療の最終目的は、永久歯がしっかり咬み合った良い咬合のキレイな歯並びです。しかし、個人差はありますが12歳頃までは乳歯と永久歯が混在している(混合歯列)状態です。また、全ての永久歯が(親しらずは除く)そろうのは14歳位で、急激な成長発育が落ち着くのは16歳ころです。成長発育で別々に変化する上下の顎骨にある歯が、安定して咬合するのは、この急激な成長発育が落ち着く時期まで実現できません。
つまり矯正歯科治療は、いくら早く始めたとしても、成長発育が落ち着く16歳ころまで終えることは出来ないのです。

子どもの将来を考えた
矯正歯科治療(咬合誘導治療)

子どもの矯正歯科治療はいくら早く始めても早く終えることは出来ません。しかし当院では、できるかぎり子どもの早い時期に治療を開始することをおすすめしています。なぜなら子どもの矯正歯科治療には、多くのメリットがあるからです。こちらでは大阪市・天王寺・阿倍野区の「木下矯正歯科」が、子どもの矯正歯科治療(咬合誘導治療)についてご説明します。

子どものうちに矯正歯科治療することをおすすめする理由について

子どものうちに矯正歯科治療することをおすすめする理由について

当院が子どものうちに矯正歯科治療することをおすすめするのには、以下の理由があります。大切なのはタイミングを逃さないことです。お子さんの歯並びが気になる場合には、お早めに当院までご相談ください。

理由01
永久歯を抜かずに治療できる可能性が高まる

子どもの矯正歯科治療では、顎が良好に成長するよう促します。そのため顎の成長が完了した大人の矯正歯科治療のように、顎の大きさに合わせて抜歯せざるを得ない状況に陥る前に、顎骨のボリュームが増えるように成長発育を誘導し、永久歯を並べる治療に入ったときに、歯を並べるための抜歯が必要となってしまう確率を下げる事ができるように目指します。

理由02
生体の条件による治療中のトラブルを低減出来る

成長期の子どもは代謝が良いため、歯を動かす上での骨代謝が活発に得られます。また、歯の神経への血流も豊富なため、歯の移動中に歯髄(歯の神経)への血行障害が生じるといったトラブルは成人の矯正歯科治療より少ないといわれています。

咬合誘導治療の目的とは

咬合誘導治療はお子さんの顎の正しい成長を促してバランスを整え、将来的に永久歯がきちんと並ぶスペースを確保することや、遺伝によるものを除いた骨格の不調和の原因となる要素を排除して良好な成長発育を得ることです。7~9歳ころの乳歯・永久歯の混合歯列期に行います。

咬合誘導治療を行うメリットはこんなにもあります
Merit 01
顔(上下の顎)のバランスが
整う
出っ歯や受け口などは歯だけでなく骨格的な問題が原因となっているケースも多く、その場合顔つきにも影響が現れます。咬合誘導治療では正しい顎の成長を促すことで骨格的な問題を改善し、顎や顔つきのバランスを整えてゆきます。ただし遺伝的な骨格要因は改善できません。
Merit 02
良い骨格の条件で
治療を進められる
この咬合誘導治療で顎を良好に成長させることが出来れば、永久歯がキレイに生えかわり、永久歯を並べる治療が必要なくなる場合も有ります。また、永久歯を並べる矯正歯科治療が必要な場合でも、骨格的によい条件で治療することが出来、よりよい治療結果を目指す事が可能となります。
Merit 03
手術を回避できる
可能性が高くなる
大人の受け口の場合、下顎骨を離断して突き出している顎を引っ込める外科手術が必要になるケースがあります。子どものうちに受け口の治療ができていれば、このような手術も回避出来る場合があります。(ただし、遺伝的要因がある場合はその限りではなく、子どものころから治療を行うべきではありません。)
咬合誘導治療を行うデメリットについて
Demerit 01
成人の方に比べ
矯正歯科治療期間が長期間かかる
子供の矯正歯科治療はほとんどの場合、あごの骨の成長が終わるまで経過を観察する必要があるので、矯正期間が長くなります。
Demerit 02
矯正歯科治療に対する
協力性が得られないことがある
咬合誘導治療に使用する装置は、その多くが家庭で患者さん本人に着脱してもらうタイプのものなので、患者さん本人が治療に協力的でない場合には良い治療結果が得られません。
顎の成長を促すための装置について
バイオネーター

バイオネーター

「機能的矯正装置」とも呼ばれるバイオネーターは、お口周りや舌の筋肉をコントロールして、顎が正しく成長するよう誘導する装置です。永久歯がきちんと並ぶよう土台を整えることが目的であり、後で歯を正しく並べる治療が必要ですが、将来的な治療で抜歯せずすんだり、前歯の傾斜をよい状態に導いたりすることを目指します。

床矯正装置

床矯正装置

取り外せる入れ歯に似た装置を使って、成長発育の障害やハグキなどへの外傷の原因となるような歯の位置異常を改善するために、数本の歯だけに限定して問題となる歯を移動させる装置です。多くの場合、この治療の後でブラケットを用いる一般的な矯正歯科治療を行い、歯を正しい位置に並べます。

上顎前方牽引装置

上顎の骨自体が後退している、骨格性の受け口のお子さんに対し、上顎の前方への成長を促すための装置です。多くの場合、上顎骨の成長が見込まれる10歳ごろまでのお子さんに使用します。

MFT(口腔機能療法) ※これは治療ではありません

MFTは、歯並びに影響する舌の悪いクセ「舌癖(ぜつへき)」を改善するために、専門家によるサポートプログラムにより舌とお口周りの筋肉が正しく働くようにするためのトレーニングです。矯正歯科治療と併せて行うことでスムーズな進行を助けたり、治療後の後戻りを防いだりする効果が期待できます。(効果には個人差があります)

子どもの永久歯を並べる矯正歯科治療の目的とは

ブラケットを用いた矯正歯科治療は、歯の表面に「ブラケット」という小さな装置を装着し、それにワイヤーを通して歯を正しい位置に移動させていく、もっともスタンダードといえる矯正歯科治療法です。永久歯列に対して用いられ、多くの症例に適用できるのが特徴です。

矯正歯科治療について
ブラケットを用いた矯正歯科治療

ブラケットを用いた矯正歯科治療

歯の表面に「ブラケット」という小さな装置を装着し、それにワイヤーを通して歯を正しい位置に移動させていく、もっともスタンダードといえる矯正歯科治療法です。永久歯列に対して用いられ、多くの症例に適用できるのが特徴です。

マウスピースタイプのカスタムメイド矯正装置を用いた治療法

当院では、咬合にほとんど問題の無いケースで、わずかな歯の移動を行う場合のみに限定しております。このタイプの装置は、「歯の型を採る」ことが出来れば装置を作成することは可能ですが、どの様に治療するかの設計が非常に難しく、この装置を正しく設計して矯正歯科治療を行う事が出来る矯正歯科医は極めてわずかであると思います。残念ながら私はこの極めてわずかな矯正歯科医の一員ではありませんので、この治療法は、全ての不正咬合の治療には適用せず、症例を限定しております。