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アゴの拡大は本当によい矯正歯科治療につながるのか?「MBS・ちちんぷいぷい」にVTR出演しました。

7月16日木曜日、毎日放送テレビ「ちちんぷいぷい」の石田ジャーナルと言うコーナーで「気をつけよう!こどもに対する不適切な矯正歯科治療」と言う内容でVTR出演しました。

ある歯科医院での不適切な診断によって、拡大装置を上アゴに装着された患者さんで、上下の奥歯の幅が合わなくなり、咬むことができず、悩んだ末、当院に相談に来られた患者さんの再治療についての話をしました。

その歯科医院に初めて行かれたとき(小学校四年くらいだったそうです)の歯並びを見たわけではないので、想像の範囲ではありますが、恐らく、その患者さんのアゴが小さく、永久歯にはえかわる為のスペースが不足するとその歯医者さんは考えたのでしょう。そこで、歯型を採って技工所に送れば簡単に作ってもらえる(本当は正しい診断と正確な指示が必要なのですが…)床拡大装置を上アゴに装着したものと思われます。

でも、下の歯並びはどうだったのでしょうか?下の歯には何のアプローチもせず、当院に来院されたときには、下の奥歯は内側に大きく倒れ込み、上の奥歯と接触できない状態になっていました。

その上、実はこの患者さん、上下左右の第二小臼歯(前から五番目の歯)がもともと無い方で、スペースの不足などあり得ない症例であったのです。何処の歯科にでもあるパノラマレントゲンというX線画像診断で判断できることなので、特殊な検査設備がないからという訳ではない、不思議な治療をされていました。

また、その当時にセファロ(頭部全体を写すレントゲン)を撮影して診断していれば、上顎前突(上の顎の骨が、下のアゴの骨より前方にあり、将来前後的に咬みあわせを作りづらい骨格)であったと言う診断がなされていたと推察でき、10歳から14歳の間は成長発育のコントロールができる時期で、まさにその上顎前突の改善を行うべき時であって、上顎の拡大を行う時期ではないのは明白でした。

テレビ解説者の石田英司さん(元社会部デスク、MBS制作局エグゼクティブ)は非常に矯正歯科について勉強されていて、我々「日本臨床矯正歯科医会」が主張する内容を正確に視聴者に伝えていただきました。

それは、「矯正歯科治療は正しい診断の下に行わなければ取り返しが付かないことになる。」「診断を行うには最低限頭部全体を撮影するセファロという器械で撮影したX線画像診断が必要。」「その診断結果と治療計画をきちんと患者さんに説明し、出来れば書面に書いて患者さんにお渡しする。」この3点が重要で、特に、日本の制度では「歯科医師免許」があれば全ての歯科治療を行う事が出来るので、専門性の高い治療についてはその見極めが難しい。と、言って頂けました。

さて、話をタイトルに戻して、「アゴの拡大はよい矯正歯科治療につながるのか?」という疑問にお答えします。適切な検査の下適切に診断し、適切な時期に行う事でアゴの拡大はよい矯正歯科治療につながります。

「なんじゃそりゃ!結局、技術が高いかどうか見分けの付きにくい、「歯科医師免許」があればどんな歯医者さんでも矯正治療をしてもよい制度でどないせーっていうネン?」    ですよね(笑)

そこで、ここからのチョット専門的な知識を皆さんにも知っておいて頂きたいのです。前々回のコラム「子供がよい歯並びになるための子育てアドバイス」で骨膜性骨成長というお話しをしました。「成長期のアゴの骨は圧迫された側の骨が吸収し、その反対側で添加することで骨が大きくなる」という成長メカニズムです。成長発育は遺伝要因が強いものの環境要因でも変化するとも述べました。環境要因で変化する骨の成長発育で「骨膜性骨成長」の他に「縫合性骨成長」と言うのがあります。骨のつなぎ目で骨が増えて骨が大きくなる成長発育です。

頭蓋骨にはたくさんの「つなぎ目」(縫合)が有ります。上アゴの骨と頭の部分にもいくつかの「つなぎ目」が有るので、成長期にその「つなぎ目」を開くように力をかけると(上アゴを前方に引っ張ると)上顎が前方に成長します。つまり、下顎前突(うけ口)の治療が出来ます。逆にその「つなぎ目」を圧迫すると上顎の前方への成長を抑制し、上顎前突(出っ歯)の治療が出来ます。

上アゴの骨には真ん中にも「つなぎ目」が有ります。上アゴはそのつなぎ目を拡げることで横幅を増すことが出来ます。これが「アゴの拡大」です。でも、下のアゴの骨には一つとして「つなぎ目」は存在しません。つまり、骨の横幅の拡大は出来ません。下のアゴを後ろに押しつけても、受け口の治療にはなりません。これも、過去の研究から証明されていることです。最近、「何がナンでも拡大して矯正しよう」とする歯科がちらほら見受けられますが、この基礎的知識があれば(国家試験を合格していればあるはずなのですが…)それが可能かどうかの判断がつくはずなのですが…残念なことです。

アゴの拡大を行うべきケースは沢山あります。当院でも床拡大装置を使うこともあります。拡大装置を用いるべきケースなのか?他に優先して行うべき問題点はないのかという判断が重要なのです。

皆さんも、少し専門知識を身につけて、矯正歯科受診の際にその先生が本当に矯正歯科治療を解って行っているのかどうかを見分ける判断材料として下さい。

 

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